病気・ケガ

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)とは?一生治らない?症状や治療法

猫ブログ

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」ってどんな病気?

腎臓のはたらきこんな感じ↓

  • 不要になった老廃物や毒素を尿として排泄する
  • 血液をコントロールする
  • ホルモンを分泌し赤血球をつくるなど

慢性腎臓病(慢性腎不全)とは腎臓がなんらかの原因でダメージを受け、これらの機能をしなくなること(腎不全)をいう。この状態が慢性的に持続することを慢性腎臓病(慢性腎不全)といいます。 

腎臓は「ネフロン」という組織が集まって構成されていますが、猫はこの「ネフロン」の数が少ないことが原因で腎臓病になりやすくなっているんです。

[chat face=”ニャン校長左.png” name=”ニャン校長” align=”left” border=”green” bg=”none”]腎臓1㎤あたりのネフロンの数は犬10,300個、猫7,900個となっていて、はるかに少ないよ![/chat]

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」の原因

原因は以下のとおりです↓

  • 加齢による腎機能の低下
  • 細菌・ウイルス感染による腎炎
  • 免疫疾患による腎炎
  • 結晶や結石による尿路の閉塞
  • 腎臓の奇形・腫瘍

など、さまざまです。

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」の症状

症状について初期は無症状のことが多いですが、進行していくと以下のものが見られるようになります↓

  • 多飲多尿
  • 食欲の低下
  • 元気がない
  • 嘔吐

とは言っても、初期症状の段階で気づくことは極めて難しく、飼い主さんが気づく頃には腎機能の7割が失われている状態です。

腎機能をほとんど失うと死に至るので早期発見・治療がなによりも大切です。

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」検査方法と4つのステージ

ステージ分類の方法は以下のような検査を行います↓

  • 尿検査
  • 血液検査
  • 超音波検査
  • レントゲン検査

これらの検査は一度で正確に測ることが難しいため、複数回検査をすることがあります。

ステージ1

病状はまったく見られない。しかし尿検査や腎臓の形状に異常が見つかることがある。

腎機能は30%以下まで低下し、中央生存日数のデータはない

ステージ2

慢性腎臓病の初期症状である多飲多尿が見られるようになる。これは腎機能の低下により尿を濃縮できず、うすい尿を大量に排泄するようになる症状のことです。

[chat face=”ニャン校長左.png” name=”ニャン校長” align=”left” border=”green” bg=”none”]こうなると猫ちゃんはさらに水分不足になって、水をたくさん飲むようになるよ。[/chat]

また、このような状態でもほとんどの猫に異常が見られないため気づきにくいですが、腎機能は25%以下まで低下していて、中央生存日数は1151日とされています

ステージ3

老廃物や毒素などの有害物質を尿中に排泄することが難しくなりさまざまな病気、からだの異変を起こすようになります。

  • 尿毒症を発症する
  • CRE(クレアチン)やBUN(尿素窒素)の血中喉の上昇
  • ホルモン分泌ができなくなり貧血を起こす
  • 口内炎や胃炎
  • 食欲低下や嘔吐

この段階で腎機能は10%以下まで低下し、中央生存日数は778日とされています

ステージ4

重篤な症状が多く見られるようになり、治療なしでの生命の維持が難しくなります。

この段階までくると積極的に治療することが正しいのか私自身もわかりません、飼い主さんと愛猫が後悔のない最期を迎えることが大切かと思います。

腎機能は5%以下まで低下し、中央生存日数は103日です

参考文献「ISFM Consensus Guidelines on the Diagnosis and Management of Feline Chronic Kidney Disease

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」の治療法

慢性腎臓病は「猫の宿命」といわれている病気で世界的に問題になっているため、IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)により治療の方針も決められています。

治療法

治療法は食生活の改善と幹細胞治療がありますが完治はできない病気です。

病状は一方通行で進行することを理解してください、治療はあくまでも病気の進行を遅らせることを目的としています。

食生活を見直す

慢性腎臓病は猫の三大疾病のひとつなので、キャットフードなどの療法食の技術も進んでいます。療法食では腎臓病用のフードを食べることで進行を遅らせることができます。

幹細胞治療(点滴)

再生医療では幹細胞治療などが一般的です。幹細胞治療と大掛かりな手術のイメージがありますが、実際は点滴により細胞を投与するだけの治療です。

点滴による細胞治療では腎臓の炎症などを抑制することで腎機能を改善し、症状の改善と安定化をする働きがあることが報告されています。

半日ほど入院し、一般的な費用は20万円ほどになります。

幹細胞治療(注射)

注射による治療では幹細胞を筋肉に直接注射します。注射による幹細胞治療は基礎研究の分野で安全性や有効性があるという報告があります。

入院の必要はなく、費用は3万円ほどです。

[jin-iconbox01]点滴・注射治療ともに診察・検査費などはそれぞれ別途かかります[/jin-iconbox01]

 

「慢性腎臓病(慢性腎不全)」の予防法

慢性腎臓病の予防法として知られている方法は以下の3つです↓

  1. 腎臓に負担をかけない食事にする
  2. 水をたっぷり飲ませる
  3. 感染症やウイルス、その他の病気に気をつける

現在でも腎臓病を完治する治療法は確立されていませんが、予防するに越したことはありません。

またひとつの病気への対策は他の病気への対策にもなります、日頃のケアがなによりも大切です。

プロフィール
ようへい
ようへい
猫ブロガー
こんにちは!猫ブログのようへいです。

小さい頃から猫と暮らしてきた超猫好き。22歳でブログを開設しました。ねこ検定上級取得。
僕が猫と暮らしてきて学んだこと、資格の知識を活かして記事を書いています。

モットーは「すべての猫と家族が幸せに暮らせること」です。
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